『クロノ・トリガー』のクロノには、SFC版で最強武器として知られていた「虹」をさらに上回る武器があります。
その名は「夢幻」。
攻撃力240。
クリティカル率90%。
数字だけを見れば文句なしにクロノ最強の武器です。
ところが、この夢幻には致命的な問題があります。
入手できるのがあまりにも遅いのです。
夢幻を手に入れるためには、本編を一度クリアしたうえで追加ダンジョン「次元のゆがみ」をすべて攻略し、さらにその先に待つ裏ボス「夢喰い」を倒さなければなりません。
つまり夢幻を手に入れた時点で、ゲーム内でも屈指の強敵をすでに倒しています。
では、せっかく手に入れた最強武器を誰に使えばいいのでしょうか。
今回は夢幻の性能や入手方法を確認しながら、「クロノ最強武器なのに使い道がほとんどない」という少し悲しい問題について考えてみます。
目次
夢幻とは?
夢幻は、DS版以降の『クロノ・トリガー』に追加されたクロノ専用武器です。
性能は以下の通りです。
攻撃力:240
クリティカル率:90%
それまでクロノの最強武器だった「虹」は、
攻撃力:220
クリティカル率:70%
なので、夢幻は攻撃力・クリティカル率の両方で虹を上回っています。
特にクリティカル率90%は強烈です。
通常攻撃を選ぶだけで、ほとんどの攻撃がクリティカルになります。
MPを消費せず、コマンド入力も通常攻撃を選ぶだけ。
クロノを物理アタッカーとして使うのであれば、非常に扱いやすい武器です。
性能だけを比較すれば、夢幻がクロノの最強武器と呼ばれることに異論はないでしょう。
問題は夢幻を入手できる時期
夢幻最大の問題は性能ではありません。
入手時期です。
夢幻を入手するためには「時の闇」で夢喰いを倒す必要があります。
しかし、そもそも時の闇へ行くまでが非常に長い。
まず一度ラヴォスを倒してゲームをクリアします。
すると追加ダンジョン「次元のゆがみ」が出現します。
次元のゆがみは古代・現代・未来の3か所に存在し、それぞれを攻略しなければなりません。
3つすべてを攻略すると、ようやく時の最果てから「時の闇」へ向かえるようになります。
そして時の闇で待っている夢喰いを倒す。
ここまで進めて、ようやく夢幻を入手できます。
順番にすると、
本編をクリア
↓
次元のゆがみ・古代を攻略
↓
次元のゆがみ・現代を攻略
↓
次元のゆがみ・未来を攻略
↓
時の闇へ
↓
夢喰いを撃破
↓
夢幻を入手
となります。
これを見れば問題は明らかです。
夢幻を手に入れるために、夢幻を使いたかった強敵をほとんど倒してしまっているのです。
夢喰いこそ夢幻を使いたい相手なのに
個人的に一番もったいないと感じるのが夢喰いです。
夢喰いはDS版以降で追加された裏ボスです。
追加コンテンツを含めた『クロノ・トリガー』の中でも、最後に待ち受ける強敵といえる存在でしょう。
こういう相手にこそ最強武器を装備して挑みたい。
「ついに最強武器を手に入れた。これで裏ボスを倒しに行くぞ」
普通のRPGなら、この順番が気持ちいいはずです。
しかし『クロノ・トリガー』では逆です。
夢喰いを倒すために最強武器が欲しいのに、
夢喰いを倒さなければ最強武器が手に入らない。
なんとも歯がゆい構造になっています。
夢幻を手に入れた瞬間、
「これを夢喰い戦で使わせてくれよ」
と思った人もいるのではないでしょうか。
では夢幻は何に使えばいい?
それでは夢幻には本当に使い道がないのでしょうか。
まったくないわけではありません。
最も分かりやすい使い道は「強くてニューゲーム」です。
夢幻を入手したデータを引き継いで新しくゲームを始めれば、序盤からクロノに夢幻を装備させることができます。
本来なら木刀などで戦っている時期から、攻撃力240・クリティカル率90%の武器を振り回せるわけです。
当然ながらゲームバランスは崩壊します。
序盤の敵からすればたまったものではありません。
しかし『クロノ・トリガー』の強くてニューゲームは、単に同じストーリーを楽に遊ぶためだけのシステムではありません。
エンディング回収にはかなり便利
『クロノ・トリガー』には多数のマルチエンディングが存在します。
強くてニューゲームでは、本来とは異なるタイミングでラヴォスへ挑戦することで、さまざまなエンディングを見ることができます。
そのため全エンディングを回収しようとすると、何度もラヴォスと戦うことになります。
ここで夢幻が役立ちます。
クリティカル率90%という性能のおかげで、通常攻撃だけでも高い火力を安定して出せます。
雑魚敵との戦闘も楽になります。
ストーリーを高速で進めながらエンディングを回収したい場合、夢幻は非常に便利です。
つまり夢幻は、
「これから裏ボスを倒すための武器」
というより、
「ゲームをやり込んだ人が次の周回を快適に遊ぶためのご褒美」
と考えたほうがしっくりきます。
虹でも十分すぎるほど強い
夢幻の立場をさらに微妙にしている存在が「虹」です。
虹の性能は攻撃力220、クリティカル率70%。
夢幻には負けます。
しかし冷静に考えてみると、これでも十分すぎるほど強い。
虹は本編終盤のサブイベントを進めることで入手できます。
つまり黒の夢やラヴォスなど、本編に残された強敵に対して実際に使用できます。
ここが夢幻との大きな違いです。
夢幻は虹より強い。
しかし虹は「強さを活かす相手がまだ残っている」。
ゲーム攻略という観点では、この差はかなり大きいと思います。
最強武器の価値は、単純な攻撃力だけでは決まりません。
いつ手に入るのか。
そして、その武器を誰に使えるのか。
そこまで含めて考える必要があります。
高レベルになるほど攻撃力240の価値も小さくなる
もうひとつ夢幻にとって不利なのが、入手時点でクロノ自身がかなり成長している可能性が高いことです。
『クロノ・トリガー』の攻撃力表示には上限があります。
夢喰いを倒せるほど育成が進んでいる場合、装備やレベルによってはクロノの攻撃力がすでにかなり高くなっています。
そのため、
虹の攻撃力220
夢幻の攻撃力240
という20ポイントの差が、数字ほど大きな違いにならない場合があります。
一方で、クリティカル率が70%から90%になることは明確な強化です。
夢幻最大の魅力は単純な攻撃力240よりも、
「ほぼ毎回クリティカルが出る」
という圧倒的な安定感にあると考えたほうがよいでしょう。
通常攻撃主体で戦うなら、非常に気持ちのいい武器です。
本当に使いたいなら夢幻を持ってもう一周するしかない
結局、夢幻を最大限楽しむ方法は単純です。
強くてニューゲームでもう一周することです。
夢幻を持ったクロノで中世へ行く。
夢幻を持ったクロノで魔王城へ行く。
夢幻を持ったクロノで古代ジールへ行く。
夢幻を持ったクロノで黒の夢へ行く。
そして再びラヴォスと戦う。
初回プレイではできなかった「最初から最強のクロノ」を楽しむための武器と考えれば、夢幻にも明確な役割があります。
ただしこれは、攻略上必要な武器というより完全にやり込みプレイヤー向けのご褒美です。
ゲームを一度クリアし、追加ダンジョンを制覇し、裏ボスまで倒したプレイヤーに与えられるトロフィーのような存在ともいえるでしょう。
最強なのに活躍する相手がいない悲しき武器
夢幻は間違いなく強い武器です。
攻撃力240。
クリティカル率90%。
クロノの武器としては最高クラスの性能を誇ります。
しかし入手するためには、
本編をクリアし、
3つの次元のゆがみを攻略し、
最後に夢喰いまで倒さなければなりません。
夢幻を入手する頃には、その圧倒的な性能を必要とする相手がほとんど残っていないのです。
その意味では、
最強だから使う武器ではなく、最強になるまで遊び尽くした証としてもらえる武器
なのかもしれません。
実用性だけなら、本編攻略中に手に入り、その後の強敵にも使える虹のほうが活躍する期間は圧倒的に長い。
しかし、強くてニューゲームで夢幻を装備したクロノが、序盤の敵を次々とクリティカルで倒していく爽快感は夢幻でしか味わえません。
夢幻の本当の使い道は、裏ボス攻略ではありません。
すべてを攻略したプレイヤーが、
「今度は最強のクロノでもう一度この世界を旅する」
ための武器なのです。