【クロノ・トリガー】リマスター版によるクロノ・クロスへの伏線を全て解説

ネタバレ注意

ネタバレを含みますので、未クリアの方はご注意ください。

※本記事では便宜上、PS版・DS版・スマホ版・Steam版など、SFC版以降に追加要素を収録した『クロノ・トリガー』をまとめて「リマスター版」と表記します。

『クロノ・トリガー』をスーパーファミコン版だけで遊んだ人と、後発の移植版まで遊んだ人では、エンディング後に抱く印象がかなり違います。

最大の理由は、後発版で『クロノ・クロス』へつながる要素が大量に追加されたことです。

ルッカが森で見つける謎の赤ん坊。

A.D.1005年のガルディア王国崩壊。

消えたグランドリオン。

突然軍事大国になったパレポリ。

ラヴォスと融合したサラ。

そして、姉を救えなかった魔王。

SFC版ではほとんど語られなかった「ラヴォスを倒した後の世界」が、後発版では『クロノ・クロス』へつながる形で補完されています。

今回は、その伏線を時系列に沿って整理していきます。

目次
  1. まず知っておきたい|クロノ・クロスへの伏線は後から追加された
  2. 伏線1|クロノとマールは結婚する
  3. 伏線2|ルッカが発見した赤ん坊の正体はキッド
  4. 伏線3|A.D.1005年にガルディア王国が滅亡する
  5. 伏線4|パレポリを軍事国家へ導いたダルトン
  6. 伏線5|ガルディア崩壊とグランドリオンの行方
  7. 伏線6|サラはラヴォスと融合し「夢喰い」になる
  8. 伏線7|魔王はサラを救おうとして敗北する
  9. 伏線を時系列で整理するとクロノ・クロスへの道筋が見える
    1. A.D.1000年
    2. その後
    3. A.D.1005年
    4. 時の闇
    5. さらにその先
  10. SFC版のハッピーエンドは後発版で意味が変わった

まず知っておきたい|クロノ・クロスへの伏線は後から追加された

1995年発売のSFC版『クロノ・トリガー』には、現在知られているクロノ・クロスへの伏線の多くは存在しません。

大きな変化が起きたのが、1999年に発売されたPlayStation版です。

ここではエンディングなどにアニメーションムービーが追加され、クロノとマールの結婚だけでなく、ルッカが赤ん坊を発見する場面や、A.D.1005年のガルディア王国崩壊などが描かれました。

さらに2008年のニンテンドーDS版では、「竜の聖域」「次元のゆがみ」「時の闇」といった新たな要素が追加されています。

ここまで来ると、単なるおまけの追加ダンジョンではありません。

『クロノ・トリガー』と『クロノ・クロス』の間にあった空白を埋める物語になっているのです。

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伏線1|クロノとマールは結婚する

PS版以降の追加ムービーでは、クロノとマールの結婚式が描かれます。

本編ではマールはガルディア王国の王女です。

つまりクロノは物語終了後、ガルディア王家と極めて深い関係を持つ人物になったことになります。

一見すると幸せな後日談です。

しかし、この映像を見たあとに『クロノ・クロス』へつながる歴史を知ると、意味が大きく変わります。

なぜなら、そのガルディア王国は数年後に滅亡するからです。

クロノとマールが結婚する映像は、「二人は幸せになりました」というエンディングであると同時に、これから失われる王国の最後の平穏を映しているとも考えられます。

なお、ガルディア崩壊時にクロノとマールがどうなったのかは、ゲーム内では明確に描かれていません。

二人が死亡したと断定されることもありますが、少なくとも作中でその最期が直接描写されているわけではありません。

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伏線2|ルッカが発見した赤ん坊の正体はキッド

追加ムービーの中でも、クロノ・クロスとのつながりが最も分かりやすいのがこの場面です。

ルッカが森を歩いていると、そこに一人の赤ん坊を発見します。

赤ん坊のそばには、物語上重要な意味を持つペンダント。

SFC版『クロノ・トリガー』だけでは、この赤ん坊が誰なのか分かりません。

しかし『クロノ・クロス』まで遊ぶと、その正体が見えてきます。

この赤ん坊こそキッドです。

『クロノ・クロス』では、キッドがサラと深く関係する存在であることが明かされます。

つまり、

サラ

キッド誕生

ルッカが発見

ルッカに育てられる

『クロノ・クロス』へ

という流れが成立します。

『クロノ・トリガー』では救うことのできなかったサラ。

その物語が、キッドという新たな存在を通して次回作へ受け継がれていくのです。

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伏線3|A.D.1005年にガルディア王国が滅亡する

追加映像では、さらに衝撃的な未来が描かれます。

A.D.1005年、ガルディア王国が崩壊します。

クロノたちがラヴォスを倒したのはA.D.1000年。

わずか5年後です。

しかも『クロノ・クロス』の時代では、かつて『クロノ・トリガー』では一地方として描かれていたパレポリが、大規模な軍事国家へと成長しています。

後発版では、このパレポリとガルディアの戦争がクロノ・クロスへつながる重要な歴史として提示されます。

SFC版だけを遊んでいると、ここには大きな疑問が残ります。

なぜパレポリが、わずか数年でガルディア王国を倒せるほどの軍事国家になったのか。

その答えを補足したのがDS版です。

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伏線4|パレポリを軍事国家へ導いたダルトン

DS版で追加された「次元のゆがみ」には、ダルトンが再登場します。

古代ジール王国でクロノたちと敵対していた、あのダルトンです。

ダルトンはクロノたちに対する強い敵意を残しており、その後パレポリへ向かい、軍事力を強化してガルディアへ復讐することを示唆します。

つまり、

SFC版では消息が分からなくなったダルトンが、後にパレポリの軍事国家化に関与した

という流れが追加されたのです。

これは『クロノ・クロス』の歴史を考えるうえで非常に重要です。

『クロノ・クロス』だけを見ると、パレポリがなぜ強大な軍事力を持つようになったのかは分かりにくい部分があります。

DS版『クロノ・トリガー』は、その理由の一つとしてダルトンを配置しました。

『クロノ・トリガー』本編ではどこかコミカルな小悪党として描かれることも多かったダルトン。

しかし、その後の歴史まで含めれば、クロノたちの未来を大きく狂わせる人物になった可能性があります。

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伏線5|ガルディア崩壊とグランドリオンの行方

A.D.1005年のガルディア崩壊では、もうひとつ重要なものが映し出されます。

グランドリオンです。

『クロノ・トリガー』では、カエルが使用した伝説の聖剣でした。

しかし『クロノ・クロス』に登場するグランドリオンは、かつての聖剣とは思えないほど禍々しい存在になっています。

負の感情を宿し、人間を狂わせる魔剣のような存在として登場するのです。

つまり、

カエルが使った聖剣グランドリオン

ガルディア王国へ受け継がれる

A.D.1005年の戦乱

何らかの経緯で失われる

『クロノ・クロス』では魔剣として登場

という大きな流れが見えてきます。

ただし、誰がグランドリオンを奪ったのか。

なぜ邪悪な剣になってしまったのか。

このあたりの経緯については、すべてが詳細に描かれているわけではありません。

そのため、ガルディア崩壊とクロス版グランドリオンの関係については、確定している描写と推測を分けて考える必要があります。

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伏線6|サラはラヴォスと融合し「夢喰い」になる

DS版最大の追加要素といえるのが、ラヴォス撃破後に挑戦できる「時の闇」です。

そこに待っているのが「夢喰い」。

その姿には、ラヴォスとサラの両方を思わせる特徴があります。

そして『クロノ・クロス』では、サラが時の闇へ落ち、ラヴォスと融合した結果、「時喰い」へとつながる存在になったことが明かされます。

つまりDS版の夢喰いは、クロノ・クロスに登場する時喰いへつながる存在として追加されたと考えられます。

ここで重要なのは、

クロノたちはラヴォスを倒したが、ラヴォスにまつわるすべての問題を解決できたわけではなかった

ということです。

SFC版だけを見ると、ラヴォス撃破によって物語はきれいに完結します。

しかし後発版では、その裏側でサラとラヴォスが融合していたことが示されます。

そして『クロノ・クロス』の物語は、見方を変えれば『クロノ・トリガー』で最後まで救えなかったサラを救う物語でもあるのです。

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伏線7|魔王はサラを救おうとして敗北する

夢喰いとの戦いには、魔王も姿を現します。

魔王の本名はジャキ。

そしてサラは実の姉です。

『クロノ・トリガー』本編でも、魔王の人生はラヴォスによって大きく狂わされました。

幼い頃に古代ジール王国から別の時代へ飛ばされ、サラとも離ればなれになります。

その魔王が、ついにサラのもとへたどり着く。

しかし、サラを救うことはできません。

さらにDS版で追加されたエンディング「夢の終わり」では、その後の魔王を思わせる描写も加えられました。

魔王は記憶を失い、自分が何者なのかすら分からない状態で新たな旅へ向かいます。

ここで思い出されるのが、『クロノ・クロス』に登場するアルフです。

実は『クロノ・クロス』の開発段階では、アルフを魔王本人として描く構想が存在していました。

しかし最終的なゲームでは、その設定は明確には採用されていません。

そのため、

DS版の記憶を失った魔王=クロノ・クロスのアルフ

と断定することはできません。

それでも、魔王が記憶を失ってどこかへ旅立つという追加描写は、アルフを魔王として描こうとしていた構想を強く連想させるものになっています。

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伏線を時系列で整理するとクロノ・クロスへの道筋が見える

ここまでの出来事を簡単に並べると、二作品の関係が見えやすくなります。

A.D.1000年

クロノたちがラヴォスを倒す。

クロノとマールは結婚する。

その後

ルッカが森で赤ん坊のキッドを発見する。

キッドはルッカのもとで育つ。

A.D.1005年

パレポリ軍がガルディア王国へ侵攻。

ガルディア王国が崩壊する。

グランドリオンも歴史の中から姿を消していく。

DS版では、このパレポリの軍事国家化にダルトンが関与したことが示唆される。

時の闇

サラとラヴォスが融合し、夢喰いとなる。

魔王は姉を救おうとするものの失敗する。

さらにその先

夢喰いは『クロノ・クロス』の時喰いへとつながる。

そしてキッドやセルジュを中心とした『クロノ・クロス』の物語が始まる。

こうして並べてみると、『クロノ・トリガー』と『クロノ・クロス』は決して無関係な物語ではありません。

むしろ後発版の追加要素によって、二作品の間にはかなり明確な橋が架けられています。

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SFC版のハッピーエンドは後発版で意味が変わった

SFC版『クロノ・トリガー』は、非常に気持ちよく終わります。

ラヴォスは倒された。

未来は救われた。

仲間たちはそれぞれの時代へ帰っていく。

クロノたちの冒険は終わった。

しかし後発版の追加要素まで知ると、その印象は大きく変わります。

ガルディア王国は滅亡する。

グランドリオンは失われる。

ダルトンはパレポリへ渡る。

サラは救われていない。

魔王も姉を救うことができない。

そしてルッカが拾った一人の赤ん坊が、次の物語の中心人物になる。

つまりクロノたちは確かに世界を救いました。

しかし、ラヴォスを倒せばすべてが幸福に終わるわけではなかったのです。

未来を変えれば、そこには新しい未来が生まれる。

そして新しい未来には、新しい問題も生まれる。

これは時間旅行をテーマとする『クロノ・トリガー』だからこそ成立する、非常に皮肉で面白い展開です。

『クロノ・トリガー』のエンディングは、物語の完全な終わりではありません。

後発版で追加されたわずかな映像やイベントをつなぎ合わせていくと、

クロノたちが救った未来の、そのさらに先で始まったもう一つの物語

が見えてきます。

それが『クロノ・クロス』なのです。