クロノトリガーでクロノが死亡したままエンディングを迎えるとどうなる?|「再会」を解説・考察

ネタバレ注意

ネタバレを含みますので、未クリアの方はご注意ください。

『クロノ・トリガー』では、物語終盤の海底神殿で主人公のクロノが死亡します。

普通のRPGであれば、その後に用意されたイベントを進めて主人公を復活させ、全員揃った状態でラスボスへ挑むのが自然な流れでしょう。

実際、『クロノ・トリガー』にもクロノを救出する方法は用意されています。

しかし、実はクロノを復活させる必要はありません。

クロノが死亡したままラヴォスを倒し、そのままエンディングを迎えることができます。

そして、その場合には通常とは異なる「再会」というエンディングが用意されています。

主人公が死亡したまま世界を救えるという、今考えてもかなり大胆なゲーム設計です。

今回は、クロノが死亡した状態でクリアするとどのようなエンディングになるのか、そして「再会」という結末が持つ意味について考えてみます。

目次
  1. クロノ死亡のままクリアするとエンディング「再会」になる
  2. クロノがいなくても仲間たちはラヴォスを倒せる
  3. 「再会」はクロノのいないエンディング
  4. 仲間たちはエンディングのあともクロノを探しに行く
  5. シルバードを残したかどうかでも展開が変わる
  6. なぜクロノを復活させなくてもいいのか
  7. 主人公がいなくなっても世界は回り続ける
  8. 「再会」という名前そのものが結末を表している
  9. クロノ死亡エンディングはバッドエンドではない

クロノ死亡のままクリアするとエンディング「再会」になる

海底神殿でクロノが死亡したあと、クロノを復活させずにラヴォスを撃破すると、エンディング「再会」へ分岐します。

クロノを復活させた状態でクリアした場合は「時の向こうへ」。

クロノを復活させていない場合は「再会」。

つまり終盤のエンディングは、主人公であるクロノが生きているかどうかによって大きく分岐します。

重要なのは、クロノを復活させないことがゲーム上の失敗として扱われていないことです。

クロノがいなくても、残された仲間たちだけでラヴォスを倒せます。

世界は救われます。

スタッフロールも流れます。

きちんと一つのエンディングとして成立しています。

「主人公を復活させなかったからバッドエンド」という単純な構造ではありません。

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クロノがいなくても仲間たちはラヴォスを倒せる

クロノ死亡後も、マール、ルッカ、カエル、ロボ、エイラ、そして条件次第では魔王が残っています。

彼らだけで冒険を続け、そのままラヴォスへ挑むことができます。

これは物語として考えるとなかなか重い展開です。

これまでパーティーの中心にいたクロノはもういません。

それでも仲間たちは旅をやめません。

クロノが命を懸けて守った仲間たちが、その意思を引き継いでラヴォスを倒すのです。

主人公が倒れた瞬間に物語そのものが終わるのではなく、それまで一緒に旅をしてきた仲間たちが物語を引き継ぐ。

クロノが単独で世界を救っていたのではなく、最初から彼ら全員の冒険だったことがよく分かるルートです。

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「再会」はクロノのいないエンディング

ラヴォスを倒せば未来の滅亡は回避されます。

しかし当然ながら、クロノは戻ってきません。

通常のエンディングではクロノとマールが一緒にリーネ広場を歩きますが、「再会」ではクロノがいない状態で物語が進んでいきます。

仲間たちはそれぞれの時代へ帰らなければなりません。

ラヴォスが消えたことで、これまで時代をつないでいたゲートも閉じようとしています。

世界は救われた。

しかしクロノだけがいない。

一見すると非常に寂しい結末です。

ところが「再会」は、ここで終わりません。

仲間たちはクロノを救える可能性があることを知り、再び動き始めます。

だからこのエンディングは「別れ」ではなく、「再会」なのです。

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仲間たちはエンディングのあともクロノを探しに行く

「再会」で特に印象的なのは、ラヴォスを倒したことで仲間たちの旅が完全に終わるわけではない点です。

クロノを救うための鍵となるのが、ハッシュが持つ「時の卵」。

本来であればゲーム中にこれを使い、死の山でクロノを救出できます。

しかしクロノを助けないままラヴォスを倒した場合、その役割がエンディングへ持ち越されます。

仲間たちはクロノを救うため、再び時空を越えようとします。

つまり「再会」は、

クロノを復活させなかった世界

ではなく、

クロノの復活がエンディングの先へ持ち越された世界

とも考えられます。

プレイヤーがゲーム中に行わなかったクロノ救出を、今度は仲間たち自身が続けようとするのです。

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シルバードを残したかどうかでも展開が変わる

「再会」にはさらに細かな分岐があります。

特に大きいのが、ラヴォス戦でシルバードを残しているかどうかです。

シルバードが残っている場合、クロノを探すための時間旅行に利用できます。

一方、翼のついたシルバードでラヴォスへ突入すると、シルバードそのものが失われます。

その場合はルッカが転送装置に手を加え、別の方法でゲートを利用しようとします。

どちらのルートでも物語が向かう方向は同じです。

クロノを取り戻しに行く。

手段がなくなれば、ルッカが新しい方法を考える。

それでも仲間たちは諦めません。

このあたりにも『クロノ・トリガー』らしい「未来は変えられる」という思想が表れているように感じます。

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なぜクロノを復活させなくてもいいのか

ゲームとして考えると、クロノを復活させるイベントを必須にすることもできたはずです。

「時の卵」を入手する。

死の山へ向かう。

クロノを救出する。

その後ラヴォスへ挑める。

一本道のRPGなら、こちらの構造のほうが自然でしょう。

しかし『クロノ・トリガー』はそうしませんでした。

クロノを助けるかどうかをプレイヤーに委ねています。

これはかなり重要な意味を持っていると思います。

強制イベントとしてクロノを復活させるのであれば、それは単なるストーリー進行です。

しかし「助けなくてもクリアできる」という選択肢が存在すると、死の山へ向かう理由が変わります。

ゲームに命令されたから助けるのではありません。

プレイヤー自身がクロノを助けたいから助ける。

クロノの復活イベントに強い感情が生まれるのは、この自由があるからではないでしょうか。

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主人公がいなくなっても世界は回り続ける

クロノ死亡ルートでもう一つ興味深いのが、主人公がいなくなってもゲームの世界そのものは続いていくことです。

RPGでは主人公が世界の中心になりがちです。

主人公がいるから仲間が集まり、主人公が魔王を倒し、主人公が世界を救う。

ところが『クロノ・トリガー』では、その主人公を途中でパーティーから完全に外してしまいます。

それでも冒険は成立します。

マールにはマールの意思があります。

ルッカにはルッカの意思があります。

カエルにも、ロボにも、エイラにも、それぞれ自分の人生があります。

クロノがいなくなって初めて、彼らが単なる「主人公の仲間」ではなかったことがはっきり見えてきます。

そして彼ら自身の意思でラヴォスを倒し、その後はクロノを救うために再び旅立つ。

主人公の死によって、逆に仲間たちの存在が強く浮かび上がる構造になっています。

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「再会」という名前そのものが結末を表している

もしクロノ死亡ルートが「喪失」や「別れ」といった名前だったなら、印象はまったく違ったでしょう。

しかし、このエンディングの名前は「再会」です。

クロノはまだ画面の中心には戻ってきていません。

それでもタイトルは、すでに未来を示しています。

今は離れている。

だから、もう一度会いに行く。

世界を救うという最大の目的を達成したあとに残ったものが、「仲間にもう一度会いたい」という非常に個人的な願いなのです。

考えてみれば、『クロノ・トリガー』は最初からそういう物語でした。

未来で世界が滅亡していることを知ったクロノたちは、

「こんな未来にしないために変えてみよう」

と動き始めます。

決められた未来だから受け入れるのではありません。

変えられるなら変える。

それなら、クロノの死も同じです。

クロノが死んだ。

だから終わり。

ではありません。

クロノが死んだのなら、クロノが死なない未来を探せばいい。

ラヴォスを倒して未来を変えた仲間たちが、最後には一人の友人の未来を変えようとする。

「再会」は、『クロノ・トリガー』のテーマを非常に分かりやすく表したエンディングなのかもしれません。

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クロノ死亡エンディングはバッドエンドではない

クロノが死亡したままスタッフロールを迎えるため、一見すると「再会」はバッドエンドのようにも見えます。

しかし実際にはそう単純ではありません。

ラヴォスは倒されています。

1999年の破滅は回避されています。

そして仲間たちはクロノを諦めていません。

物語はむしろ、クロノを救う新しい旅が始まるところで終わります。

だから「再会」は悲しい結末ではなく、希望を未来へ残したエンディングなのでしょう。

クロノを復活させてから世界を救うこともできる。

クロノを失った仲間たちだけで世界を救うこともできる。

そしてどちらを選んでも、物語として成立している。

主人公の生死すらプレイヤーの行動によって変わる。

発売から長い年月が経った今でも『クロノ・トリガー』のマルチエンディングが語られる理由は、単にエンディングの数が多いからだけではありません。

プレイヤーが選ばなかった道にも、きちんと物語が用意されている。

クロノ死亡状態で迎える「再会」は、その象徴ともいえるエンディングです。