【考察】ラヴォスはなぜ地球を滅ぼしたのか?|1999年に人類を滅ぼした理由

ネタバレ注意

ネタバレを含みますので、未クリアの方はご注意ください。

『クロノ・トリガー』最大の敵であるラヴォスは、A.D.1999年に地中から姿を現し、地上文明をほぼ壊滅させました。

しかし、ここには1つ大きな疑問があります。

なぜラヴォスは、わざわざ1999年まで待っていたのでしょうか。

ラヴォスが地球へ飛来したのはB.C.6500万年。

地球を破壊することだけが目的なら、6500万年も地中で待つ必要はありません。

むしろ作中で明らかになるラヴォスの生態を考えると、1999年の大災害は単なる破壊ではなく、地球という資源を利用するための最終工程だったと考えられます。

さらに一歩踏み込むと、人類はラヴォスにとって長い間「価値のある資源」でありながら、文明の発達によって最終的には「自分たちを殺せる脅威」へ変化したのではないでしょうか。

本記事では、ラヴォスがなぜ1999年に地上文明を滅ぼしたのかを考察します。

目次
  1. ラヴォスの目的は地球そのものの破壊ではない
  2. ラヴォスは地球の生命を「資源」として利用していた
  3. では、なぜ1999年に人類を滅ぼしたのか
  4. 「資源が脅威に変わる直前」が収穫時期だった?
  5. クロノたち自身が「人類はラヴォスを倒せる」と証明している
  6. プチラヴォスの存在から見えるラヴォスのライフサイクル
  7. ラヴォスの日は「地球滅亡の日」ではなく「地球収穫の日」だった

ラヴォスの目的は地球そのものの破壊ではない

まず重要なのは、ラヴォスの目的を「惑星破壊」と考える必要はないという点です。

ラヴォスはB.C.6500万年に宇宙から飛来した後、地中深くへ潜り込みます。

その後、B.C.12000年には魔法王国ジールがラヴォスのエネルギーを利用しようとしたことで海底神殿へ出現しますが、それでも地球そのものを破壊してはいません。

本格的に地表を攻撃するのはA.D.1999年です。

しかも、その攻撃を受けても地球は消滅していません。

A.D.2300年にも地球は存在しており、わずかながら人類やその他の生命も生き残っています。

つまりラヴォスが行ったのは、

惑星の破壊ではなく、地表文明の壊滅

だったと見ることができます。

では、なぜ地球は残しながら人類文明を破壊する必要があったのでしょうか。

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ラヴォスは地球の生命を「資源」として利用していた

最終決戦では、ラヴォスが地球上に存在した生物のDNAを取り込んでいることが明らかになります。

ロボはラヴォス内部を見て、地球に存在したあらゆる生物のDNAを持っていることに驚きます。

さらにラヴォスの目的について、地球上の生物のDNAを利用して究極の進化を遂げようとしていることが語られます。

つまりラヴォスにとって地球は、単なる攻撃対象ではありません。

自分自身を進化させるための巨大な生物資源だったのです。

ラヴォスは地中に潜伏しながら長い年月をかけて生命の進化を利用し、その成果を取り込んでいったと考えられます。

この視点に立つと、B.C.6500万年の時点で地球を滅ぼさなかった理由も説明できます。

生命をすぐに絶滅させてしまえば、進化によって生まれる新しいDNAを回収できません。

ラヴォスにとって価値があるのは「今存在している生命」だけではなく、長い年月をかけて生命が進化することで生まれる新しい情報だったのでしょう。

地球はラヴォスにとって、6500万年かけて育てる巨大な培養槽だったとも言えます。

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では、なぜ1999年に人類を滅ぼしたのか

ここで最初の疑問に戻ります。

地球の生命が重要な資源なら、なぜラヴォスはA.D.1999年に地表を壊滅させたのでしょうか。

考えられる理由の1つが、

人類という資源の価値が十分に高まった一方で、同時にラヴォスにとって危険な存在になったから

というものです。

原始時代の人類は、ラヴォスに対抗する力を持っていません。

中世でも同様です。

しかしA.D.1999年まで文明が発展すると、人類は高度な科学技術を持つようになります。

ここからさらに文明が発達すれば、いつか地中に存在するラヴォスを発見し、その正体を分析し、攻撃する技術を手に入れるかもしれません。

生命として進化させる価値はある。

しかし進化させすぎれば、自分自身を殺せる存在になる。

ラヴォスにとって人類は、「資源」と「脅威」という2つの性質を同時に持つ存在になったのではないでしょうか。

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「資源が脅威に変わる直前」が収穫時期だった?

ここからが本記事の中心となる考察です。

ラヴォスの生態が「生命を進化させ、そのDNAを利用すること」ならば、理想的な収穫時期があるはずです。

早すぎれば生命が十分に進化していません。

遅すぎれば知的生命体が発達し、自分自身を攻撃できるようになります。

そう考えるとA.D.1999年とは、

生命資源として十分に成熟しながら、まだラヴォスを排除できるほどには発達していない時代

だった可能性があります。

つまりラヴォスの日は、

「地球侵略が始まった日」ではなく、「6500万年間続いた収穫が完了した日」

だったのではないでしょうか。

DNAという資源を十分に回収した。

自分自身も進化した。

次世代も残せる。

そうなれば、人類文明を維持するメリットはなくなります。

それどころか、人類をさらに発展させることはラヴォスにとってリスクになります。

そこで地球そのものは残しつつ、地表文明だけを破壊した。

こう考えると、1999年の攻撃にも合理性が生まれます。

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クロノたち自身が「人類はラヴォスを倒せる」と証明している

この説を面白くしているのが、クロノたちの存在です。

ラヴォスが高度に発達した生命を危険視していたと仮定すると、その判断は結果的に正しかったことになります。

なぜなら最終的に、

地球で進化した人類がラヴォスを倒してしまうからです。

クロノたちは時代を超えて仲間を集め、魔法、科学技術、武器、ロボットなど、地球の歴史の中で生まれたさまざまな力を利用してラヴォスへ到達します。

しかもラヴォス自身が取り込んできた「地球生命の進化」によって生まれた存在が、最後にはラヴォスを滅ぼしています。

これは非常に皮肉です。

ラヴォスはより優れたDNAを得るために生命を進化させ続けました。

しかし生命を進化させた結果、

ラヴォスを倒せる生命まで生み出してしまった

とも考えられるのです。

資源として価値が高い生命ほど、同時に自分を脅かす可能性も高くなる。

だから一定段階まで進化した惑星では、文明をリセットする必要があったのかもしれません。

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プチラヴォスの存在から見えるラヴォスのライフサイクル

A.D.2300年の死の山には、ラヴォスの子供であるプチラヴォスが存在します。

さらにジェノサイドームではマザーが、ラヴォスの子供たちはいつか新しい惑星と獲物を求めて旅立つと語っています。

そして「人間がいなければ、この世界は彼らを養える」という趣旨の発言までしています。

ここから見えてくるラヴォスのライフサイクルは、おおよそ次のようなものです。

惑星へ飛来する
→ 地中へ潜伏する
→ 生命の進化を利用する
→ DNAを収集する
→ 自身を進化させる
→ 子供を生み出す
→ 子供が別の惑星へ旅立つ

そして新しい惑星へ到達した子供が、同じ行動を繰り返す。

ラヴォスは「世界を滅ぼす魔王」というよりも、宇宙規模で繁殖を繰り返す寄生生命体として見る方が、その行動を説明しやすくなります。

なお、マザーの発言はラヴォス本人の発言ではありません。

そのため「ラヴォスが子供を育てるために人類を滅ぼした」と断定することはできません。

しかし、死の山にプチラヴォスが存在し、その子供たちが別の惑星へ向かうことは、ラヴォスの行動を考えるうえで重要な材料です。

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ラヴォスの日は「地球滅亡の日」ではなく「地球収穫の日」だった

以上をまとめると、ラヴォスがA.D.1999年に地上文明を滅ぼした理由について、次の仮説が成立します。

ラヴォスにとって地球の生命は、自身を進化させるための資源でした。

そのためB.C.6500万年に飛来してからもすぐには地球を滅ぼさず、長期間にわたって生命の進化を利用します。

やがて人類は高度な文明を築き、生命資源として十分な段階まで進化しました。

しかし同時に、これ以上文明を発展させればラヴォス自身を脅かす存在になります。

そこでラヴォスは、

資源として利用できるだけ利用した後、資源が脅威へ変わる前に地表文明をリセットした。

それがA.D.1999年の「ラヴォスの日」だったのではないでしょうか。

この仮説なら、ラヴォスが6500万年間地球を破壊しなかった理由と、1999年になって突然地表を壊滅させた理由の両方を説明できます。

そして何より恐ろしいのは、ラヴォスに悪意があったとは限らないことです。

人間が作物を育て、成長したところで収穫するように、ラヴォスもまた地球生命を育て、利用し、不要になった段階で処理しただけなのかもしれません。

人類から見れば世界の終わり。

しかしラヴォスから見れば、

6500万年かけて育てた資源の収穫が終わっただけ。

そう考えると、ラヴォスは単なるラスボスとは異なる、宇宙的な生命の恐ろしさを持った存在に見えてきます。