ネタバレを含みますので、未クリアの方はご注意ください。
『クロノ・トリガー』は、1995年に発売されたスクウェアのRPGです。
クロノ、マール、ルッカたちが時代を超えて冒険し、やがて世界を滅ぼす存在「ラヴォス」と戦うことになります。
ただ、クロノトリガーのストーリーは少し複雑です。
中世へ行ったと思ったら未来へ飛び、そこから原始、古代へと時代を行き来します。
さらに、ある時代で起こした行動が別の時代に影響することもあります。
久しぶりに遊ぶと、
「最初は何がきっかけで旅に出たんだっけ?」
「魔王とラヴォスってどういう関係だった?」
「古代ジール王国で何が起きたんだっけ?」
と分からなくなることもあるでしょう。
この記事では、クロノトリガーのストーリーをゲーム本編で体験する順番に沿って、できるだけわかりやすく解説します。
※この記事は物語終盤までの重大なネタバレを含みます。
目次
物語の始まりは「千年祭」
物語の主人公は、現代A.D.1000年に暮らす少年クロノです。
ある日クロノは、リーネ広場で開催されている「千年祭」へ向かいます。
そこで出会うのが、マールという少女です。
クロノとマールは一緒に祭りを楽しみ、やがてクロノの幼なじみであるルッカが発明した「テレポッド」の実験を見に行きます。
ところが、マールがテレポッドへ乗った瞬間、彼女が身につけていたペンダントが反応します。
すると空間に謎のゲートが出現し、マールはその中へ吸い込まれてしまいます。
クロノはマールを追い、ゲートの中へ飛び込みます。
これが、すべての始まりです。
クロノは400年前の中世へ
ゲートの先は、現代ではありませんでした。
クロノがたどり着いたのは、400年前のA.D.600年。
魔王軍とガルディア王国が戦争をしていた中世です。
そこでクロノは、マールと再会します。
しかし、なぜかマールはガルディア王国の王妃として扱われていました。
理由は、マールが現代のガルディア王家の子孫であり、行方不明になっていたリーネ王妃と瓜二つだったからです。
ところがその直後、マールの体が突然消えてしまいます。
ここでルッカも中世へやってきて、原因を突き止めます。
リーネ王妃が本来この時代で助け出されるはずだったのに、未来から来たマールが王妃と間違われたことで捜索が中断されてしまったのです。
もしリーネ王妃が救出されなければ、ガルディア王家の血筋は途絶えます。
すると、その子孫であるマールも存在できなくなります。
クロノたちはリーネ王妃を救出し、歴史を元に戻します。
この一件によって、クロノトリガーという作品の大きなテーマが提示されます。
過去を変えれば、未来も変わる。
クロノたちは、このあと何度もその原則と向き合うことになります。
現代へ帰るも、クロノは裁判にかけられる
リーネ王妃を救出したクロノたちは、A.D.1000年へ帰還します。
ところが、ここで新たな問題が発生します。
マールの正体は、ガルディア王国の王女マールディアでした。
王女を連れ出したとして、クロノは城の兵士たちに捕らえられてしまいます。
そして裁判にかけられます。
千年祭でのクロノの行動によって判決内容が変化するという、当時としては印象的なイベントです。
その後クロノは牢獄へ入れられますが、マールやルッカとともに城から脱出します。
しかし逃げた先にあったゲートへ飛び込んだことで、クロノたちはさらに遠い時代へ向かうことになります。
荒廃した未来で知る「世界の滅亡」
クロノたちが次に到着したのは、A.D.2300年。
そこには、彼らが知っている世界の姿はありませんでした。
地上は荒廃しています。
人々はドームの中で細々と生きています。
食料も少なく、希望すら失われています。
なぜ世界はこんな姿になったのか。
クロノたちは記録映像を見つけます。
そこには、A.D.1999年に地中から巨大な生命体が出現し、世界を焼き尽くす映像が残されていました。
その生命体こそ、
ラヴォスです。
ここでクロノたちの旅の目的が大きく変わります。
最初はマールを助けるための時間旅行でした。
しかし未来の惨状を目にした彼らは決意します。
自分たちの未来を変える。
ラヴォスによる世界滅亡を阻止するための旅が、ここから始まります。
ロボとの出会いと時の最果て
未来でクロノたちは、一体のロボットを発見します。
ルッカによって修理されたロボットはマールに「ロボ」と名付けれられ、仲間になります。
やがてクロノたちは、複数のゲートを経由した結果、「時の最果て」と呼ばれる不思議な場所へたどり着きます。
ここは、さまざまな時代へつながる時間の中継地点のような場所です。
クロノたちはここを拠点に、
中世。
現代。
未来。
原始。
古代。
さまざまな時代を行き来するようになります。
そして時の最果てでは、謎の老人ハッシュとも出会います。
この人物も、物語後半で重要な意味を持つ存在です。
ラヴォスと魔王の関係を追って中世へ
クロノたちは、ラヴォスについて調べるうちに一つの仮説へたどり着きます。
中世で人間と戦っていた魔王が、ラヴォスを生み出したのではないか。
そこでクロノたちは再びA.D.600年へ向かいます。
ここで重要になるのが、カエルです。
カエルはもともとグレンという人間の剣士でした。
しかし魔王によって現在の姿へ変えられています。
かつて親友サイラスとともに魔王へ挑みましたが、サイラスを失い、自身も呪いを受けました。
クロノたちは伝説の剣グランドリオンを復活させ、カエルとともに魔王城へ向かいます。
そしてついに魔王との戦いが始まります。
ところが、ここで衝撃的な事実が判明します。
魔王はラヴォスを生み出したのではありません。
むしろ、
魔王もまたラヴォスを倒そうとしていたのです。
魔王が行っていた儀式は、ラヴォスを呼び出し、自ら戦うためのものでした。
そしてラヴォスの力によって空間が歪み、クロノたちは再び別の時代へ飛ばされます。
原始時代で明かされるラヴォスの正体
クロノたちが飛ばされたのは、B.C.6500万年の原始時代です。
ここで出会うのが、原始の村を率いるエイラです。
人間たちは、アザーラ率いる恐竜人と戦っていました。
クロノたちはエイラとともに恐竜人の本拠地へ向かいます。
そして戦いの最中、空から巨大な赤い星のようなものが落下します。
それこそが、
宇宙から飛来したラヴォスでした。
つまりラヴォスは、魔王が生み出した存在ではありません。
遥か昔から地球に存在していた、宇宙由来の生命体だったのです。
ラヴォスは地中深くへ潜り、その後何千万年もの間、地球の内部に存在し続けます。
クロノたちはラヴォスの落下地点にできたゲートから、さらに別の時代へ進みます。
魔法王国ジールへ
次にクロノたちが訪れるのが、B.C.12000年。
古代の魔法王国ジールです。
ここは、それまで訪れた時代とはまったく違います。
人々は魔法を使い、天空には島々が浮かび、高度な文明が築かれています。
しかし、その繁栄を支えていたものこそラヴォスでした。
女王ジールは、地中に眠るラヴォスから莫大なエネルギーを引き出そうとしていました。
そのために建設されたのが海底神殿です。
ここで登場する重要人物が、
サラ。
ジャキ。
そして三賢者です。
サラは強大な魔力を持つ王女。
ジャキはその弟です。
そして女王ジールは、ラヴォスの力に次第に取りつかれていきます。
クロノたちは、この古代文明の崩壊に深く関わることになります。
魔王の正体はジャキだった
古代編では、物語の大きな謎が次々と明かされます。
中世でクロノたちと戦った魔王。
その正体は、
古代ジール王国の王子ジャキでした。
海底神殿でラヴォスが目覚めた際、その力によってジャキは時空の彼方へ飛ばされます。
そしてたどり着いたのが中世。
成長したジャキは魔王となり、ラヴォスへの復讐を果たそうとしていたのです。
魔王がなぜラヴォスを呼び出そうとしていたのか。
なぜサラを気にかけていたのか。
ここで、これまでの行動が一本につながります。
同時に、時の最果てにいたハッシュをはじめとする三賢者も、この事件によって別々の時代へ飛ばされていたことが分かっていきます。
海底神殿でクロノが死亡する
そしてクロノトリガー最大級の転換点が訪れます。
海底神殿でラヴォスが目覚め、クロノたちは圧倒的な力の前に追い詰められます。
ラヴォスの攻撃から仲間たちを守るため、
クロノは命を落とします。
主人公が物語途中で死亡する。
当時のRPGとしても非常に衝撃的な展開です。
クロノを失った仲間たちは、それでも旅を続けます。
さらにジール王国は崩壊。
空中大陸は海へ落ち、かつて栄華を誇った魔法文明も終わりを迎えます。
一方で女王ジールは、ラヴォスの力によって「黒の夢」と呼ばれる存在へと関わっていきます。
ダルトンに奪われるシルバード
ジール王国崩壊後、生き残ったクロノたちの前に現れるのがダルトンです。
ダルトンはクロノたちを捕らえ、飛行船「黒鳥号」へ連行します。
さらにクロノたちが使っていた時空移動装置シルバードまで奪います。
しかしダルトンは、シルバードを自分の乗り物にしようとして改造します。
その結果、
シルバードには翼がつき、自由に空を飛べるようになります。
クロノたちはダルトンを倒し、改造されたシルバードを取り戻します。
敵に奪われた乗り物が、なぜかパワーアップして戻ってくるという、クロノトリガーらしい展開です。
クロノを生き返らせる方法を探す
ここから物語は、ラヴォスを倒すだけではなく、
クロノを取り戻す物語
にもなります。
仲間たちは時の最果ての老人ハッシュから「クロノ・トリガー」と呼ばれるアイテムを受け取ります。
これは時間そのものを操作して死者を直接蘇生させる道具ではありません。
クロノが死ぬ直前の瞬間へ介入し、本人とそっくりな人形を入れ替えることで、歴史の流れを大きく変えずに救出するための装置です。
仲間たちは死の山へ向かい、クロノを救出します。
物語の序盤ではクロノがマールを助けるために時空を超えました。
今度は、
仲間たちがクロノを救うために時を超えます。
ここもクロノトリガーの物語で特に美しい部分です。
仲間たちそれぞれの物語も決着へ
終盤では、ラヴォスとの最終決戦へ向かう前に、各キャラクターに関係するサブイベントを進められます。
カエルはサイラスとの過去に向き合います。
ロボは自分を生み出した存在や、長い時間をかけて荒れ地を森へ戻す仕事に関わります。
ルッカは、自分の人生を大きく変えた過去の事故と向き合います。
マールは父であるガルディア王との関係を修復していきます。
魔王は姉サラを追い続けます。
クロノトリガーが印象的なのは、世界を救うという大きな物語だけではありません。
仲間一人ひとりにも、それぞれ変えたい過去があります。
世界の歴史を変える物語と、個人の人生を変える物語が重なっているのです。
最後の敵ラヴォスへ
すべての準備を終えたクロノたちは、ついにラヴォスとの戦いへ向かいます。
ラヴォスはB.C.6500万年に地球へ飛来。
地中深くから地球上の生命を観察し続け、さまざまな生物の遺伝情報を取り込みながら進化してきました。
そしてA.D.1999年。
地上へ姿を現し、文明を壊滅させます。
未来でクロノたちが見た荒廃した世界は、その結果でした。
しかしクロノたちはすでに、その未来を知っています。
知っているからこそ、
変えられます。
何千万年も地球に寄生してきたラヴォスを倒し、A.D.1999年の滅亡を防ぐ。
それが旅の最終目的です。
そしてクロノたちはラヴォスを倒し、
未来を変えることに成功します。
クロノトリガーは「未来を知った少年たち」の物語
クロノトリガーのストーリーを一言で説明するなら、
未来の滅亡を知ってしまった少年たちが、その未来を変えるために時代を超える物語です。
最初から世界を救おうとしていたわけではありません。
クロノは、たまたま千年祭へ遊びに行っただけです。
たまたまマールと出会いました。
たまたまテレポッドが暴走しました。
そして偶然たどり着いた未来で、世界が滅びることを知りました。
普通なら、
「自分が生きている時代には関係ない」
と思っても不思議ではありません。
ラヴォスが世界を滅ぼすのは、クロノたちが暮らす時代から約1000年後です。
それでも彼らは言います。
未来を変えよう、と。
クロノトリガーの物語が今も多くの人に愛されている理由は、時間旅行という仕掛けだけではないのかもしれません。
過去は変えられる。
未来も変えられる。
一度起きてしまった悲劇ですら、方法を探せば救えるかもしれない。
そんな希望が、物語の最初から最後まで流れています。
クロノたちは時代を超えました。
しかし彼らが本当に変えたものは、
時間そのものではありません。
「未来は決まっている」という考え方だったのかもしれません。