クロノトリガーの未来はなぜ怖いのか|A.D.2300の荒廃した世界と、暗く描かれた理由を考察
ネタバレ注意
ネタバレを含みますので、未クリアの方はご注意ください。
「クロノトリガーの未来は今でも少し怖い」と感じている人は多いと思います。
中世や現代を旅したあとで訪れるA.D.2300の未来は、人々が食べ物にも困る荒れ果てた世界です。
ただ、この時代の怖さは、強い敵やおばけに追われるときのものとは種類が違います。
そのため、子どものころに何が怖かったのかを、うまく言葉にできない人も多いと思います。
そこでこの記事では、未来の怖い場面を作中の描写から確かめ、後半で未来が暗く描かれた理由を考察します。
この記事を読むことで、クロノトリガーの未来が怖い理由と、その怖さが物語の中で果たしている役目がわかります。
結論から申しますと、未来が怖いのは、ラヴォスに滅ぼされたあとの世界で、人々が希望を失って暮らす姿を描いているからです。
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結論:未来の怖さは「滅んだあとの日常」から来ている
クロノトリガーの未来の怖さは、次の3つにまとめられます。
- 未来の人々は、ドームと呼ばれる建物の中で、食べ物にも困りながら暮らしています。
- 世界が滅んだ原因は、情報センターに残された記録から、A.D.1999の「ラヴォスの日」だとわかります。
- 暗い場面のあいだに種やロボの修理といった小さな希望が置かれ、その対比が荒廃の重さを際立たせています。
A.D.2300の未来はどんな世界か
A.D.2300の未来は、A.D.1999の「ラヴォスの日」に星が壊されたあとの世界です。
この時代は、クロノたちの時代よりもずっと文明が進んでいました。
しかし、その文明は荒れ果て、わずかに生き残った人々がドームに分かれて暮らしています。
ドームには宿屋が無いため、パーティーはエナ・ボックスという装置でHPとMPを回復します。
下の表は、ゲートを抜けてから最初に回る場所の様子をまとめたものです。
| 場所 | 様子 |
|---|---|
| バンゴドーム | 人が住んでいない小さなドームで、現代へつながるゲートがある |
| トランドーム | 住人は少ないが、エナ・ボックスと店がある |
| 16号廃墟 | 住む人がいなくなり、建物が崩れた廃墟。危険なモンスターがすみついている |
| アリスドーム | かつての情報センター。地下に食糧庫と大型コンピュータがあり、ドンたちが暮らしている |
| プロメテドーム | かつては人間とロボットが住んでいたが、いまはエナ・ボックスが残るだけ |
表の5か所のうち3か所には、いまは誰も住んでいません。
各章の進めかたは、廃墟を越えて…と不思議の国の工場跡の攻略ページに載っています。
クロノトリガーの未来が怖いと言われる場面
未来の怖さは、1つの場面ではなく、旅の途中で出会ういくつもの場面が積み重なって生まれます。
アリスドームの人々は「元気」という言葉を知らない
アリスドームの人々をまとめるドンは、このドームが情報センターだったころの所長の子孫です。
そのドンも、絶望のあまり無気力になって暮らしていました。
生き残った人々は、「元気」という言葉の意味さえ知りません。
ドンは、クロノたちの姿を見て、ようやく「元気」がどういうものかを知ります。
生きる気力そのものが失われている点に、この時代の暗さがよく表れています。
食糧庫の奥に男が倒れている
アリスドームの鉄骨通路では、「食糧庫に近づくものは攻撃する」と書かれたメモが見つかります。
その先のガードルームでは、ガードマシンとの戦いになります。
戦いを抜けた先の食糧庫では、奥に男が倒れていて、マールが調べると種が手に入ります。
もう一度調べると、ネズミの習性について男が書き残したメモも見つかります。
食べ物があるはずの場所で人が倒れているこの場面は、未来の飢えの深刻さを物語っています。
情報センターで「ラヴォスの日」の記録を見る
アリスドームの地下にある情報センターでは、コンピュータに残された記録を調べられます。
そこに残っていたのは、地中から現れたラヴォスが、あっという間にこの星を壊していく光景でした。
記録の日付はA.D.1999で、クロノたちの時代から見ると999年後の出来事です。
図1のとおり、荒れ果てた未来は遠いおとぎ話ではなく、クロノたちの時代の先で本当に起きる出来事です。
地下水道跡にはニセのセーブポイントがある
地下水道跡のB2には、ネコや空き缶、チーズのように、調べると音が鳴ってモンスターを呼ぶものが置かれています。
なかでもニセのセーブポイントは、触れるだけで音が鳴り、モンスターとの戦いになります。
安全なはずのセーブポイントさえ信じられない作りが、未来の落ち着かなさを強めています。
ロボが兄弟のRシリーズに襲われる
ロボは、人間と行動をともにするよう造られたロボットで、プロメテドームで修理されて仲間になります。
ところが、工場跡から脱出する途中で、ロボは兄弟であるRシリーズ6体に襲われます。
このときロボはパーティーから外れ、残った2人だけでRシリーズと戦うことになります。
物語の後半には、ロボたちを造ったマザーブレーンが人間の根絶をもくろんでいることも明らかになります。
ロボの生い立ちとRシリーズに襲われた理由は、ロボの正体の記事で詳しく解説しています。
監視者のドームの老人と話が通じない
死の山のふもとにある監視者のドームには、謎の物体と暮らす老人がいます。
老人の話は一方通行で、意味の通らないことを口にするばかりです。
ただし、老人はマールのペンダントにだけは心を揺さぶられ、わずかに記憶を取り戻します。
この老人が心を病んだいきさつは、ガッシュが発狂した理由の記事で考察しています。
考察:未来がここまで暗く描かれた理由
ここから先の文は、作中の描写をもとにした考察です。
未来の怖さが旅の目的を生んでいる
1つ目の理由は、怖い未来を見せることで、クロノたちの旅に目的が生まれることです。
未来に着くまでのクロノたちは、消えたマールを追ったり、裁判のあとで城から逃げたりと、目の前の出来事に追われていました。
ところが、ラヴォスの日の記録を見たマールは、この未来を変えようと決め、クロノとルッカに星を救おうと呼びかけます。
この場面を境に、時を越える冒険は、星を救うための旅に変わります。
未来が暗く描かれているほど、その未来を変えたいという気持ちは、プレイヤーの側にも強く生まれます。
ラヴォスの恐ろしさを戦う前に伝えている
2つ目の理由は、戦う前からラヴォスの恐ろしさを伝えるためだと考えられます。
この時代でもボスとの戦いはありますが、初めて訪れたときには、ラヴォスは記録の中にしか姿を見せません。
プレイヤーが目にするのは、ラヴォスに滅ぼされたあとの世界と、そこで暮らし続ける人々の姿です。
敵の姿よりも敵が残した傷あとを見せることで、ラヴォスの恐ろしさはかえって強く伝わります。
戦って勝てば終わる怖さではないからこそ、子どものころの記憶にも強く残ったのではないでしょうか。
暗さが小さな希望を引き立てている
3つ目の理由は、暗い未来の中でこそ、小さな希望が引き立つことです。
クロノたちが食糧庫で見つけた種をドンに渡すと、代わりにバイクのキーがもらえます。
動かなくなっていたロボも、プロメテドームで修理されて目を覚まし、仲間として旅に加わります。
暗さと希望が隣り合うことで、荒廃の重さと、それでも未来は変えられるという望みの両方が伝わります。
1999年が発売当時のすぐ先の未来だった点は、A.D.1999年に世界が滅ぶ理由の考察で扱っています。
まとめ
クロノトリガーの未来は、怪物よりも「滅んだあとの暮らし」を見せることで、プレイヤーに怖さを感じさせています。
- 未来の人々は、ドームの中で食べ物にも困りながら暮らしている
- 情報センターの記録から、A.D.1999の「ラヴォスの日」が星を壊したとわかる
- 未来の暗さは、クロノたちが未来を変えようと決めるきっかけになっている
子どものころに未来が怖かった人は、まず廃墟を越えて…の章から、A.D.2300をもう一度歩いてみてください。
怖さの裏にある小さな希望を見つけると、未来の場面の見えかたが変わります。
未来にまつわるほかの記事は、未来の時代のページにまとめています。
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